『 小川建美の給料は安い? 』おがけんニュース2017.09号より
おがけんニュースをご覧の皆さん、こんにちは! 小川賢一です。
先日、御年82歳の会長( 僕の父であり、小川建美の創業者 )に
こんな事を言われました。
会長 「 おぅ、賢一!ウチのわけぇこ(若い子)の給料は、
やしぃんか(安いのか)? 」
僕 「 そんな事ねぇよ。めちゃくちゃたけぇ(高い)事もねぇけど、
やしぃ(安い)事もねぇよ。なんでそんな事言うん? 」
会長 「 さっき見た女の子は、ボロボロのズボンをはいとったがぁ!
あんな服しか持ってねぇんじゃねん? 」
僕 「 ボロボロのズボン・・・? 」
会長 「 裾のところが破れとったでぇ~
ありゃぁ~かわいそうなぁけぇ~
ズボンぐれぇ買えるように給料をあげちゃれ~!」
僕 「・・・ダメージデニムのことか・・・
最近は、あれがはやっとんよ!
あれの方がたけぇん(高い)よ!!」
会長 「わしゃ~よう分からん・・・
じゃけど、あれでお客さんの前に出るんかぁ?
そりゃおえんわぁ~!!」
一見、笑い話のように聞こえますが、これには深い意味があります。
だって、もし僕の父親がお客さんの立場で、
リフォームのために小川建美を訪ねたとしたら、
絶対に小川建美ではリフォームしません!
だって、そんな服装で接客する事なんて、ありえないと思っているからです。
たとえ、ダメージデニムの説明をしたとしても!
理屈ではなく、受け入れられないのです。
そもそも、なぜ小川建美のスタッフは
全員スーツではなく、私服で働いているのか?
『 スーツを脱いだ 』のは今からちょうど15年前です。
当時の小川建美は、バブル崩壊の影響を受け、
経営危機に陥っていました。
地場の工務店から脱却し、拡大路線に舵をきり、
自社生産工場まで建てていたのですが、
ハウスメーカーの真似をしても、
本家本元に勝る事はできませんでした。
結局、お客さんには小川建美を選んでもらえず、
どれだけ努力しても、報われませんでした。
『 努力は必ず報われる 』と言いますが、
努力の方向を間違えると、みんな不幸になるのです。
だって、山の中で迷った時、下山の方向とは真逆の向きに、
全員で協力して頑張って歩いても、
結局降りられず、全員が不幸になってしまいます。
だから、方向を決めることは重要なのです!
それが経営者の一番大切な仕事でもあるのです。
努力をしているのに、経営危機という事は、
山中で間違った方向に進んでいる事と同じなので、修正しなければなりません。
その時のキーワードが
『 今まで当たり前と思っていた事が、
本当に正しいのかどうか、リセットして見直す事』でした。
その中の一つが、「 営業マンの服装は、本当にスーツでいいのか?」という見直しでした。
そして、真剣に、今まで当たり前だった『 スーツ 』について考えた答えが
『 私服で働く事 』でした。
理由は10人中10人が不快に思わない服装が『 スーツ 』だからです。
ハウスメーカーのように大量生産・大量販売するためには、
できるだけ多くのお客さんに嫌われないためにも、
スーツが適していると思いますが、
小川建美のような地方の小さな会社で、
年間に40棟しか建てない会社は10人中9人に嫌われても、
たった一人が「小川建美がいい!」と思ってくれたら、それでいいんです。
だから『私服』なんです!
私服なら、「 高額の買い物をするのに、私服なんて失礼だ!」という人もいれば、
「私服の方が、その人の人間性が分かって話しやすい」という人もいるんです。
そう考えると、何も考えずに
「 今までこうだったから 」という理由でそうしている
『当たり前の事』って結構あるんですよ。
例えばスーツはスーツでも、『 リクルートスーツ 』!
採用活動に行くと、多くの学生さんと出会いますが、
合同企業説明会では
ほぼ100%の学生さんが同じダーク系のスーツです。
どの人も同じに見えるので、違いが分かりません。
その会場に勇気を出して『 私服 』で行ってみたら、
いい意味でも悪い意味でも絶対に覚えてもらえるのに・・・
企業側も同じで、最近はどこの企業も
プロジェクターを使って会社概要を説明しているんです。
そんな中、大声を張り上げて熱くしゃべっている人がいれば、必ず目立つんです!
色んな意味で!!
最近考えた当たり前の事:高校野球の最終回、
最後の打者がやる『 ヘッドスライディング 』。
真剣に考えると、今までの打席ではほぼやらない
ヘッドスライディングを最後の打者としてやるのは、
打った後、1塁に向かう瞬間に「セーフになる事」を
諦めているのではないでしょうか?
一見、一所懸命に見え、「 頑張れ!」と思うのですが、
よく考えてみると、演出?はたまた自己満足?
そんな見方もあるかもしれませんね。
『 住宅業界の無意味な当たり前って、
かなりあるんですよ!詳しくはスタッフまで! 』
木造ホーム㈱小川建美 代表取締役 小川賢一
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